アルツハイマー型認知症に伴う
焦燥感、易刺激性、興奮に起因する
過活動・攻撃的言動について
過活動・攻撃的言動*とは
過活動・攻撃的言動は、アルツハイマー型認知症による不安やあせり等が原因で現れることがある症状です。
- 過活動:拒絶症や同じ質問や動作を繰り返すなどの行動がみられる状態
- 攻撃的言動:悪態をつく、たたくなど攻撃的な発言や行動がみられる状態
これらの症状は、アルツハイマー型認知症の方の約半数で認められ1)、介護負担が重くなることで、ご本人やご家族、介護者の方の生活の質(QOL)を低下させるだけでなく、場合によっては認知症の方が家族や介護者の方と同居することが困難となり、介護施設へ入居せざるを得ない要因にもなっています。
- Halpern R, et al. Int J Geriatr Psychiatry. 2019 ;34(3): 420 431.
「アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動」に対して、日本で初めて効能又は効果が認められたレキサルティ®は、認知症の方やご家族、介護する方が自分らしい生活をおくることができるように、行動や言動にあらわれる症状を抑えつけるのではなく、症状の改善を目指すお薬です。
過活動・攻撃的言動*とは、
以下のような症状のことを指します。
症状はさまざまですが、大きく2つのグループに分類されています。
過活動・攻撃的言動*が引き起こす
介護負担
過活動・攻撃的言動*の負担は大きく、認知症の方だけでなく介護者の方、さらに社会に影響を及ぼします。
認知症の方と介護者の方の間で良好な関係を築くことで過活動・攻撃的言動*は改善し、介護負担の軽減につながる可能性があります。
過活動・攻撃的言動*により介護者の方への負担が増えると、ストレスの増大とともに適切な対処が難しくなっていきます。すると、認知症の方のストレスも大きくなり、過活動・攻撃的言動*が悪化するという悪循環に陥ります。
過活動・攻撃的言動*では、この悪循環を好循環に変え、認知症の方と介護者の方への負担の心と体の負担を軽くすることが大切です。
*アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動
アルツハイマー型認知症の
治療目標
行動・心理症状は、適切な治療を行うことで改善が期待されます。
認知症の症状は、物忘れ(記憶障害)、時間や場所、人物をうまく認識できない(見当識障害)などに代表される「認知機能障害」と、それ以外の「行動・心理症状」に大きく分けられ、過活動・攻撃的言動*は行動・心理症状の一部に含まれます。
認知機能障害と行動・心理症状は、それぞれ治療の目的が異なります。認知機能障害は病気の進行を遅らせることを目的とした治療が行われますが、行動・心理症状は症状の改善を目的とした治療が行われます。お薬を使わない治療を優先し、それでも改善しない場合はお薬による治療が検討されます。
*アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動
レキサルティ®について
レキサルティ®に
期待される効果
レキサルティ®は、アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動を効能又は効果として、国内で初めて承認された唯一のお薬です(2024年9月現在)。
レキサルティ®の働き
過活動・攻撃的言動*は、認知機能の低下による不安やあせりなどの心理的な原因のほかに、脳が活動するために必要な「神経伝達物質」の働きが乱れることであらわれると考えられています。
レキサルティ®は、これらの症状に関わる神経伝達物質に働きかけるお薬です。
*アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動
レキサルティ®の服用方法
- レキサルティ®の錠剤 またはOD錠を1日1回服用します。
- 錠剤とOD錠(口腔内崩壊錠)があります。
- 1日1回0.5mgから開始し、1週間以上経ってから1日1mgに増量します。
症状によって1日2mgに増量することもあります。
OD錠を服用する患者さんへ
- 寝たままの状態のときは水なしでは飲まないようにしてください。
- 溶けやすいOD錠であっても、喉周辺にお薬が残ってしまう場合もありますので、服用後に唾液を飲み込むようにしたり、水で流し込んだりしてください。
- わからないこと、不安なことは医師や薬剤師に相談しましょう。
レキサルティ®の主な副作用
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ものが飲み込みにくい、むせる、咳き込む
[誤嚥性肺炎]飲食物や胃液などが誤って気管に入った後の発熱、咳、痰、息切れ、ものが飲み込みにくい、むせる、咳き込むなどの症状がみられた場合は、すぐに受診してください。
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このような症状があらわれた場合には、医師または薬剤師に相談してください。
- 眠気や、注意力・集中力・反射能力などの低下
特に高齢の方は、転倒のリスク(危険性)が高いので、十分に注意してください。
自動車の運転など、危険を伴う機械の操作は避けてください。 - じっとしていることができない、立ったり座ったりを繰り返す[アカシジア]
- 舌を動かしたり、舌を出し入れしたり、絶えず噛むような口の動き[遅発性ジスキネジア]
- 眠気や、注意力・集中力・反射能力などの低下
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このような場合には、医師または薬剤師に相談してください。
- ほかのお薬を飲んでいる場合レキサルティ®の作用と副作用が強く出ることがあります。
- 以前にお薬を使用してアレルギー症状が出たことがある方
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レキサルティ®を飲みはじめてどれくらいで効果が出ますか?
レキサルティ®は人によって効き方に差があり、また症状によっても効果が出る時期が変わります。
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症状が改善したら、レキサルティ®を中止してもいいですか?
レキサルティ®をやめるタイミングについては、医師や薬剤師へご相談ください。症状が軽くなると、お薬の服用をやめたいと思われるかもしれません。しかし、ご自身の判断でお薬をやめてしまうと、症状が再発してしまうことがあります。お薬について不安や疑問がある時や、副作用と思われる症状がみられた時には、医師や薬剤師に相談しましょう。
レキサルティ®について
医薬品副作用被害救済制度について
医薬品副作用被害救済制度は、医薬品(一般用も含む)を適正に使用したにもかかわらず、入院治療が必要な程度の副作用が生じた場合に、医療費や障害年金などの健康被害について救済給付を行う公的な制度です。
認知症患者に対する抗精神病薬の適応外使用
クエチアピン、ハロペリドール、ペロスピロン、リスペリドン
原則として、器質性疾患に伴う、せん妄・精神運動興奮状態・易刺激性に対して、処方した場合、当該使用事例を審査上認める。ただし適応外使用は医薬品副作用被害救済制度の対象外になる場合がある。
社会保険診療報酬支払基金:保医発0928第1号 2011年9月28日より作成
社会保険診療報酬支払基金:保医発0928第1号 2011年9月28日より作成
https://www.hospital.or.jp/pdf/14_20110928_01.pdf(2024.05.21閲覧)
レキサルティ®は、アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動を効能又は効果として、国内で初めて承認された唯一のお薬です。